超硬質アルマイト皮膜の特徴

アルマイトは、電解する際の溶液の種類によって、皮膜の特徴が変化します。

当社の超硬質アルマイトでは、シュウ酸溶液を利用した「シュウ酸アルマイト」、硫酸溶液を利用した「硫酸硬質アルマイト」を行っています。

シュウ酸アルマイトの特徴

シュウ酸アルマイトは黄金色~茶色の外観となり、次のような特徴を持っています。

  • 面粗度が良い。
  • 耐摩耗性に優れている。
  • クラックが少ない。

これらの特徴を生かし、ブレーキ部品(A6061 鍛造+切削品)を Ra=0.2μm 以下の面粗度で量産しており、高い評価をいただいています。

硫酸硬質アルマイトの特徴

硫酸硬質アルマイトは、光沢性に優れた白色~灰色の外観となり、高い硬度を持った皮膜が得られます。

  • A6061:Hv=420以上
  • A5052:Hv=400以上

硬質アルマイトの皮膜特性

シュウ酸アルマイトと硫酸アルマイトとの比較
素材:A5052 アルマイト膜厚:50μm

比較項目 シュウ酸硬質アルマイト 硫酸硬質アルマイト
硬度 ロード 50g
Hv 450~500
ロード 50g
Hv 380~420
耐食性 キャス試験 48時間
レイティングナンバー 9.8
キャス試験 48時間
レイティングナンバー 7.5
耐摩耗性 往復運動平面磨耗試験
75.1 DS/μm
1μm削れるのに要した往復回数
往復運動平面磨耗試験
35.4 DS/μm
1μm削れるのに要した往復回数
耐電圧 高い 低い
クラック 少ない 多い
面粗度 ロール目直角方向
良い (Ra = 0.21~0.43)
ロール目直角方向
悪い (Ra = 0.5~2.6)
外観色調 黄金色~茶色 白色~灰色
放熱性 良い 良くない